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2010 CAS[Osaka]

永草次郎

同展キュレーター、美術批評(帝塚山学院大学教授)

 

作品を見る前に文章を書いてみたい。そんな誘惑に駆られる。それが川端作品だ。

10年前、京都で見た作品は、ギャラリーの床いっぱいの穴だった。うつろな土の穴。

19世紀に写実主義という革命を起こしたクールベの絵画《オルナンの埋葬》(1850年)の中心にある穴を見て、川端を思い出す。

作品の内と外が転回するような物質や時空のもつダイナミズム。クールベにあやかり、それを「埋葬」と呼ぶならば、埋葬されるのは、消費社会のオブジェであり、その埋葬の儀式こそがアートなら、彼の作品こそ、現代の大阪のアートと言えるだろう。

 

 

artist talk at CAS

川端嘉人×永草次郎

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